Vol.07

「骨格タンパク質」と
大人肌のくすみの関係から、
さらなるブライトニング
ケアの高みへ

エイジングケア研究

総合研究所 基盤技術研究センター
開発担当研究員 愛原
2023年12月時点

大人肌を明るくなめらかに!
肌のゴワつきと角層の「質」との
関係に着目して

クレンジングでメイクをすっきり落としたはずなのに、なんだか肌の表面がゴワついているように感じることはありませんか?肌がゴワつくと肌がくすんで見えたり、スキンケアのなじみ感や化粧ノリも悪く感じて、 気分まで下がってしまう・・・そのような大人女性のお悩みに対し、「日常のケアの中でゴワつきを解消することで、明るくなめらかな肌になって気分まで明るくなって欲しい!」という想いから研究に取り組みました。
着目したのは、表皮の一番外側に存在する角層そのものの「質」。
角層は、肌の表面で様々な外的刺激の侵入を防ぎ、体内の水分や栄養分を守る重要なバリアとして機能しています。肌の表面に存在するため、角層の「質」の変化は私たちの毎日の肌の調子に直接的に関わります。そこで、 肌のゴワつきと角層の「質」の関係を掘り下げることにしました。

「骨格タンパク質」の過剰な増加がゴワつき・くすみの一因であることを発見

角層の「質」に関係がある骨格タンパク質に着目して解析を進め、そこで、ゴワついている肌では骨格タンパク質が「過剰に増加」していることを発見!(図1) このタンパク質は角層細胞の構造を形づくるために絶対になくてはならないものですが、その量が過剰に増加することで、肌表面がゴワついて硬くなってしまうことを明らかにしました。

図1・図2

骨格タンパク質は、年齢が高いほど増加していました(図2)。骨格タンパク質自体は角層にとって必須のものですが、過剰に増えてしまうことで大人肌に起こりがちなゴワつきやくすみの一因となっていたのです。

硬くなった角層を自然に効果的にケアできる「ホホバオイル」が切り札に

さらに硬くなった角層の解析を進め、特定の皮脂成分(ワックスエステル)が減少していることも発見しました。 ワックスエステルは、肌表面を保護し水分を角層内に保つはたらきが強いことから、角層の乾燥を防ぐことで角層の柔らかさに関与していると考えています(図3)。

図3

硬い角層をケアするには、ワックスエステルのように、乾燥を防いで柔らかく保つはたらきが大切です。そこで、同様のはたらきが期待できるオイル成分を探索しました。 成分のテストにあたっては、試験管の中で良い結果が出ることに加え、本当に効果があるかヒトの肌でも評価しました。 数ある候補成分からの絞り込みの際には、私自身の肌で角層が柔らかくなるか、何度も何度もテストを繰り返しました。結果、硬い角層で不足する皮脂成分を補いながら、 肌表面を柔らかくするのに「ホホバオイル」が最も優れていることを見出しました(図4、図5)。

図4・図5

角層の柔らかさこそ、美肌の重要なカギ。可能性が広がります

角層は、私たちの体を守るために皮膚の最外層に存在する重要な部分です。だからこそ、私たちの毎日の肌の調子と密接にかかわっています。 角層の「質」、中でも硬さにアプローチをすることで単に肌が柔らかくなるだけではなく、その後のスキンケアのなじみやターンオーバーの正常化にもつながります。
そうすることで肌のサイクルが良い方向になり、ゴワつきのない明るくなめらかな肌になることが期待できると考えます。