Vol.04

シミや透明感に
深く
関わる長寿遺伝子
「サーチュイン3」
への挑戦

メラニン研究

総合研究所 ビューティサイエンス研究センター
開発担当研究員 谷澤
2023年9月時点

シミの根源であるメラノサイトに多く存在する「サーチュイン3」に着目

年を重ねることで、昔よりもシミができやすいと感じることはありませんか?
日焼け対策はしっかりしているのに、少し日を浴びるだけでまた新たなシミができてしまう…
こんなお悩みを解決したいと思い、シミの根源である「メラノサイト」に焦点を当てた研究を開始しました。
アテニアでは長年、サーチュイン6をはじめとした長寿遺伝子に着目した研究を続けてきました。
長寿遺伝子は私たちの体の様々な場所に存在し、活性化させることで細胞の若返りや代謝の増進に関わることが知られています。
今回、アテニアではシミの根源であるメラノサイトに多く存在するサーチュイン3に着目しました。
サーチュイン3は、細胞のエネルギーを産生するミトコンドリアに局在し、エネルギー産生時に発生する活性酸素を除去する働きを担うことが知られています。
そこで、サーチュイン3はメラノサイトにおいても発生する活性酸素の除去に関わり、シミのもと「メラニン」の産生も抑制できるのではないかと考え、研究を行いました。

日を浴びるとシミができる原因の1つが判明

サーチュイン3量の違いが肌にどのような違いを与えるかを調べたところ、サーチュイン3の多い肌ではメラニンが少なく透明感があるのに対し、サーチュイン3が少ない肌ではメラニンが多く暗い印象を持つことがわかりました(図1)。

図1

透明感のある明るい肌の実現にはサーチュイン3の存在が重要ですが、実はダメージ(紫外線や乾燥・ニキビなどの皮膚炎症)を受けることにより減少してしまいます(図2)。

図2

サーチュイン3が少ないメラノサイトを通常のメラノサイトと比較したところ、メラニン産生に関わる酵素チロシナーゼが増え、メラニンができやすい状態であること(図3-1)、さらに、サーチュイン3が少ないメラノサイトに紫外線をあてたところ、通常よりも過剰にメラニンが産生されることがわかりました(図3-2)。
これらの結果から、日を浴びるとシミができる原因の1つが、実はメラノサイトのサーチュイン3の減少であることが明らかとなったのです。

図3(1〜2)

「ビルベリー葉エキス」に、独自の機能を見出しました

日常で受けたダメージにより減少してしまうサーチュイン3を、どうしたら守ることができるのか。
私たちは多くの素材を評価した結果、「ビルベリー葉エキス」がメラノサイトのサーチュイン3を増やす働きを持つことを新たに見出しました。
さらに、加齢により活性が低下するサーチュイン1にも着目。「テンニンカエキス」がそのサーチュイン1を増やすことも発見しました。
「ビルベリー葉エキス」にさらに「テンニンカエキス」が加わることで、サーチュイン3とともにサーチュイン1の機能も増大し、様々な方向からメラノサイトを正常な状態へ保ち、メラニンの過剰産生を防ぐことが期待できます。