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撮影:
今道 しげみさん
フォトグラファー&フラワーデザイナー。
花や果実、料理をモチーフに、一眼レフカメラで暮らしの中の美しく幸せな時間を切り取る「リビングフォト」スタイルを確立。写真教室も主宰し、全国からの受講者は5,000名を超える人気講師です。
http://livingphoto.jp/
2024年11月【メキシコ】
エピソードはこちら2024年12月【ギリシャ】
エピソードはこちら2025年1月【日本】
エピソードはこちら2025年2月【イギリス】
エピソードはこちら2025年3月【イタリア】
エピソードはこちら2025年4月【オランダ】
エピソードはこちら2025年5月【フィンランド】
エピソードはこちら2025年6月【中国】
エピソードはこちら2025年7月【ペルー】
エピソードはこちら2025年8月【アメリカ】
エピソードはこちら2025年9月【コロンビア】
エピソードはこちら2025年10月【インド】
エピソードはこちら2025年11月【南アフリカ】
エピソードはこちら2025年12月【イスラエル】
エピソードはこちら【花材】
コスモス(オレンジキャンパス)・ダリア(恋金魚・ナマハゲラブ・ナマハゲプリティ・ガーネット・アサヒテマリ)サボテン
2024年11月
【メキシコ】
ダリアはその豪華な花が特徴で1963年にメキシコの国花に指定されました。秋の風情を感じさせるコスモスとともに、メキシコの高山地帯が原産地です。ダリアはもともと食用、薬用でしたが、ヨーロッパに渡ると観賞用として人気が出ました。近年では、日本は世界に名だたるダリア大国で育種も盛んです。今回選んだダリアは名前がユニークな秋田の「ナマハゲ」シリーズのダリアです。
メキシコを代表する女性の画家、フリーダ・カーロをご存知ですか?色彩豊かな情熱的な芸術に思いを馳せながらメキシコの文化と魅力を感じてみてください。
【花材】
アネモネ(モナリザ)・ラナンキュラス・バラ(グリーンアイス)・スイトピー・月桂樹・ブルーバード
2024年12月
【ギリシャ】
ギリシャ神話には、「アネモネ」だけでなく、ヒヤシンス、スイセン、バラ、クロッカスなど多くの花々が登場します。恋人を嫉妬から守るために花の姿に変えられてしまったのが「アネモネ」です。ギリシャ神話には、愛や美、希望や喜びといった善良な神だけでなく、怒り、復讐の神も描かれていて、人間の感情の深さと複雑さも映し出しています。
薄い花弁の重なりが美しいラナンキュラスは地中海沿岸地域が原産のアネモネと同じキンポウゲ科の植物です。スタイリングには、ロンドンに暮らしている時に集めたギリシャ彫刻を思わせるジャスパーウェアを使いました。実際には古代ローマのカメオ彫刻を元にデザインされたものです。
【花材】
キク(フエゴダーク・マラケシュ・アーバン)・ヒカゲノカズラ・松・柚子・千両・万両・ユズリハ・ナンテン・テマリソウ
2025年1月
【日本】
新しい年の始まりを迎えるお正月。この月を象徴する花、菊は日本の国花であり、古くから尊ばれてきました。菊の美しさとその力強さは、新年の希望と再生の象徴でもあります。
お正月には家族や友人と一緒に新しい年を祝うため、様々な伝統的な儀式や習慣が行われます。我が家のお正月には欠かせないお屠蘇のセットとおせち料理を盛り付ける重箱に菊と「かいしき」と呼ばれる和食に添える縁起の良い植物をあしらってみました。
新しい年の目標を立て、希望とともに新たなスタートを切るこの時期、菊の花とともに、心に新しい風を吹き込んでみてはいかがでしょうか。
【花材】
バラ(カーマインクラシック・チアフル・アンブリッジローズ)・スノーボール・オダマキ・フランネルフラワー・クリスマスローズ
2025年2月
【イギリス】
バラはイギリスの国花で、歴史と文化に深く根付いています。
紅白のバラを統合した架空のバラの花がテューダー朝の紋章となり、現代ではイングランドのラグビーやサッカーのエンブレムとしても使われています。
ルイス・キャロルのイギリス文学の名作「不思議の国のアリス」には、白いバラに女王から赤くペイントするよう命じられたトランプの兵隊など奇妙で魅力的なキャラクターたちが登場します。風変わりなお茶会(Mad Tea-Party)のイラストに描かれているのとそっくりな銀のティーポットなど細かいところまでこだわってみました。他にも見つけてみてくださいね。
【花材】
ミモザ(パールアカシア・ギンヨウアカシア)
2025年3月
【イタリア】
3月8日は「国際女性デー」として知られています。女性の社会的地位や権利を守り、素晴らしい活動を世界的に称える日です。
イタリアでは「Festa Della Donna=女性の日」とし、この時期にミモザが美しく咲く事から、女性にミモザを贈る風習があり、「ミモザの日」と呼ばれています。
ミモザの花は、春の訪れを告げるとともに、ふわふわと柔らかくて鮮やかな黄色の花と、甘い香りが元気と希望を与えてくれます。
そしてイタリアと言えばパスタ。色々な種類のパスタをこっそり足元に添えてみました。
【花材】
チューリップ(ハッピージェネレーション・スーパーパロット・アプリコットパロット・ヴェロナサンライズ・ファントム)・根付きチューリップ(タルダ)
2025年4月
【オランダ】
チューリップの国と言えば、オランダを思い浮かべる人がほとんどだと思いますが、原産地は中央アジアで、16世紀にはオスマン帝国で広く栽培されるようになり、君主のスルタンが国のシンボルとして珍重しました。その後ヨーロッパに伝えられ、17世紀初頭にオランダでチューリップ栽培が急速に広まりました。この頃、珍しいチューリップの球根が家や土地と同等の価値を持つ「チューリップ・マニア」が起こります。写真には当時高騰した、色の濃淡や赤い斑入りの「パロットチューリップ」を選びました。球根付きの方はトルコで珍重された小さくて、花弁の咲が尖った原種系のチューリップに近いものです。
貿易が盛んだったオランダに中国から伝わった焼き物「デルフト焼き」には、チューリップを活けるためのちょっと変わった形の花瓶もあります。
【花材】
スズラン
2025年5月
【フィンランド】
スズランはフィンランドを代表するシンボルとして、20世紀後半に国民投票で選ばれました。毎年夏に森や公園、家の庭に咲くスズランは、フィンランド人にとっても身近にある存在です。切手の絵柄などデザインのモチーフとしても良く使われています。
スズランのブーケとスタイリングには北欧の巨匠たちがデザインしたものを集めてみました。マイヤ・イソラによるマリメッコのけしの花のテキスタイル、パンジーが印象的なカイピアイネンのパラティーシ・シリーズのお皿、トイッカによるカステヘルミというガラスの器、カイフランクのシンプルな器など、どこかで見たことがあるアイテムではありませんか?家具、テキスタイル、食器など、使う事を第一に考えたシンプルで機能的な美しい北欧デザインは国境や時代を超えて人気です。
【花材】
シャクヤク(サラベルナール・エッジドサーモン・滝の粧)・キイチゴベビーハンズ
2025年6月
【中国】
中国で梅と並んで国花とみなされているのは「牡丹(ボタン)」ですが、日本の花市場では牡丹の切り花の入手が難しいので、流通用もバリエーションも豊富な「芍薬(シャクヤク)」のブーケを束ねました。
牡丹や芍薬の花は、豪華で鮮やかな花びらが美しく、中国では古くから愛されてきました。
芍薬と牡丹は見た目が似ているので混同されがちですが、いくつかの違いがあるようです。
植物学的な分類では、芍薬は「草本植物」で草質の茎、牡丹は「木本植物」で木質の茎を持ちます。牡丹で有名な長谷寺でじっくり観察したことがありますが、私には見分けが難しく感じました。冬になると、芍薬は地上部が枯れて春に新しい芽を出し、牡丹は木なので枯れないということなので、育てればわかるかもしれませんね。
香港に暮らしている時に集めた、中国茶の茶器も一緒にスタイリングしてみました。
【花材】
アルストロメリア(プティバニラ・グリーンモジャ)・シュガーバイン・フレボディウム
2025年7月
【ペルー】
一枝の先から数輪の花が咲き、花持ちが良いアルストロメリアは南米に60~100の野生種が分布しています。エキゾチックな花形がユリに似ていることから「インカのユリ」とも呼ばれ、ロンドンでフラワーデザインの勉強をしていた時に「Peruvian -Lily(ペルーのユリ)」と学んだ事を思い出しました。
ペルーと言えばインカ帝国のマチュピチュ遺跡が有名ですね。インカの聖なる谷、ウルバンバ渓谷の「マラス塩田」では写真のような薄いピンク色の岩塩がとれます。また、ペルーを代表する「ピスコ」はブドウを原料とした蒸留酒です。ペルー領事館の人に教えてもらい、卵白とライムとシロップをシェイクしてピスコサワーを作ってみました。
【花材】
ヒマワリ(サンリッチUPレモン・サンリッチライチ・パナシェ)・バラ(つきひ・スペード・ピスカップ)・ブルーベリー
2025年8月
【アメリカ】
ヒマワリの原産国は北アメリカです。北米の先住民によって約3000年以上前から栽培され、考古学的遺跡で種や農具が発見されています。ヒマワリの種は栄養価が高く油分も多いので、食用、そして宗教的な儀式にも使われていました。16世紀にスペイン人によってヨーロッパに渡り、今では世界中で栽培されています。
アメリカの国花「バラ」と、アメリカが故郷のひまわりで華やかな黄色のブーケに仕立ててみました。星条旗と手作りの星でガーデンパーティーのような雰囲気にしました。太陽の方向に向かって咲くヒマワリは、力強さと明るさが夏のエネルギーを感じさせてくれますよね。
【花材】
アンスリウム(ザフィラ・プレミアピンク・ミドリ・マキシマエレガンシア)ユキヤナギ
2025年9月
【コロンビア】
南米の北端に位置するコロンビアは、熱帯雨林やアンデス山脈を背景に多様性に富んだ自然環境を持つ国です。コーヒー豆の産地としても知られています。
赤道直下付近にありながら、首都のボゴタは標高2500mの高地にあり、一年中涼しい気候なのは羨ましくもあります。バラやカーネーションの生産地としても有名で、オランダに次いで世界第二位の切り花輸出国です。コロンビアの大輪のバラは、地球の裏側の日本の花市場でも頻繁に目にします。
コロンビア原産のアンスリウムは、「Flamingo Flower」とも呼ばれているので、フラミンゴを数匹忍ばせました。
カラーバリエーションも豊富で、フラミンゴのようなピンクオレンジ色の珍しいアンスリウムを集めました。
【花材】
マリーゴールド(オプティバオレンジ・アフロイエロー)
2025年10月
【インド】
ヒンドゥー教の最大の祭典のひとつディワリ(Diwali)が、インドの歴の新年にあたる10月末から11月初めに行われます。マリーゴールドの原産地はメキシコですが、350年以上前にスペイン・ポルトガルの商人がインドに持ち込みました。それ以来インドでも祝いの花として人気で、ディワリ以外にも結婚式やその他の宗教行事には必ずと言ってよいほど大量に使われています。ディワリのお祭りには、オイルランプも灯され、光の祭りとも呼ばれています。実際にどうやって使われているのか、インドカレー店の人に話を聞いたりしました。スタイリングに使っている黄色の布は「ブロック・プリント」と呼ばれる木彫のスタンプを使って手染めされたインド更紗です。
【花材】
キングプロテア・バンクシア・グニユーカリ・グレヴィレア(アイバンホー)・ブルニア・ユーカリベルガムナッツ
2025年11月
【南アフリカ】
白くて彫刻の様に美しい南アメリカ原産のキングプロテアは、ギリシャ神話の海神プロテウスが名前の由来です。プロテウスは自分の意思でその姿を自由に変えられる神です。
花を束ねて、逆さに飾るデザインを「スワッグ」と呼ぶのですが、今回選んだ植物はドライフラワーとしても長く楽しめる植物を束ねました。
ブラシのような花のバンクシアと、白いキノコのような花のブルニアは南アメリカ、ユーカリとのこぎり状の葉のグレヴィレアはオーストラリアの植物です。南アメリカの植物は、オーストラリアの植物に特徴が良く似ていています。数億年前に二つの大陸がひと続きだったという大陸移動説がうなずけます。
【花材】
シクラメン・アイビー
2025年12月
【イスラエル】
イスラエルは園芸種シクラメンの原産地です。ソロモン王は、古代イスラエル王国の実在した王で、キリスト教の旧約聖書にも登場します。ソロモンが神から授かった指輪が「ソロモンの指輪」です。
イスラエルではシクラメンはソロモン王の「王冠の花」という伝承があります。紀元前10世紀に、美しい王冠のデザインを探していたソロモン王が、岩陰でけなげにこうべを垂れていたシクラメンの姿の謙虚さに感動して、シクラメンの花の王冠を作ったという説があります。また、草花好きのソロモン王を見たシクラメンが恥ずかしさのあまりにうつむいたという説も。花にまつわる伝説や言い伝えは、国や時代を超えて色々なところにあります。花や伝説を探しながら世界の旅をするのも楽しいですね。