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撮影:
今道 しげみさん
フォトグラファー&フラワーデザイナー。
花や果実、料理をモチーフに、一眼レフカメラで暮らしの中の美しく幸せな時間を切り取る「リビングフォト」スタイルを確立。写真教室も主宰し、全国からの受講者は5,000名を超える人気講師です。
http://livingphoto.jp/

2023年11月【カヌレ・ド・ボルドー】
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2023年12月【シュトーレン】
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1月【マリー・アントワネットのスイーツ・ビュッフェ】
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2月【チョコレートとココア】
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3月【タルト・オ・フリュイ】
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4月【桜とピスタチオのマカロン】
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5月【メロンのパリ・ブレスト】
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6月【紫陽花のアイスクリーム】
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7月【アイスバー】
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8月【レモンゼリー】
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9月【キャラメル】
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10月【モンブラン】
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11月【アップルパイ】
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12月【ヘクセンハウス】
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【花材】
ダリア・フジバカマ・ジニア・バラ(ナッシングウィズアウトユー)
2023年11月
【カヌレ・ド・ボルドー】
カヌレ・ド・ボルドーは、フランスのワインの産地として有名なボルドー地方の伝統的なお菓子です。
ボルドーではワインの澱を取り除く工程で、鶏卵の卵白を使用しており、余った大量の卵黄の利用法として考えだされたものとされています。外側は固く香ばしく、内側はしっとり柔らかな触感で、ラム酒とバニラの香りが豊かなお菓子です。
フランス語で「溝のついた」という意味のカヌレ型を使って焼きます。銅製のカヌレ型や、ボルドーの赤ワインをイメージしたミニブーケを一緒にスタイリングしています。

【花材】
ブルーアイス・ダスティミラー・フランネルフラワー
2023年12月
【シュトーレン】
シュトーレンは、ドイツの伝統的なクリスマスケーキで、その起源は古く14世紀までさかのぼり、司教へのクリスマスの贈物として贈呈されたとされています。
シュトーレンという名前はドイツ語で「坑道」という意味で、トンネル型の形状から命名されました。パンと同じように「酵母」が入った生地に、レーズンなどのドライフルーツやナッツが練り込まれ、焼き上げられたケーキには真っ白になるまで粉砂糖がまぶされています。
これは幼子イエスを産着に包んでいる形に似せたと言われています。
ドイツでは12月25日のクリスマスまでの4週間の間に少しずつスライスして食べる習慣があり、今ではクリスマスシーズンに日本をはじめ世界中で楽しまれています。

【花材】
バラ(ロゼドリュヌ)・スプレーバラ(ユリア)・スイートピー・ラナンキュラス(ハーマイオニー・モロッコサフィ・エムベージュ)・チューリップ
1月
【マリー・アントワネットのスイーツ・ビュッフェ】
ソフィア・コッポラ監督による映画「マリー・アントワネット」の豪華なスイーツ・ビュッフェをイメージしました。
映画では、マカロンが中央に大量に並べられ、多くの種類のケーキがディスプレイされたスイーツ・ビュッフェで、フランス革命勃発直前の危うさを覆い隠すような贅沢な宮廷の様子が描かれています。
淡いピンクとベビーブルーの色の組み合わせは乙女心を虜にする、限りなくスイートな色合わせです。
ペールピンクの春のブーケとスイーツで、今までにないほど、とろけそうな甘さを感じてくださいね。

【花材】
アネモネ・パンジー・スイートピー・アイビー・カカオの実(フェイク)
2月
【チョコレートとココア】
チョコレートは甘く、豊かな味わいを持っています。カカオの風味や甘さが口の中で広がり、幸福感をもたらします。
チョコレートはカカオツリーから収穫されたカカオの実の豆を、発酵、焙煎、粉砕して作られます。発酵によってカカオ豆の風味が引き出され、苦みが和らぎます。チョコレートの歴史は非常に古く、紀元前2000年頃のメソアメリカでカカオが栽培され、そののち貨幣として流通するほど珍重されていました。
ヨーロッパにはコロンブスが新大陸発見とともに持ち込んだとされています。スペイン王宮には「飲み物」として運ばれました。
ハンガリーでデザインされた、チョコレートのためのカップ&ソーサーとポットでココアを入れてみました。中央の実は、カカオの実のフェイクです。
こんな姿なのですね。

【花材】
カランコエ・チューリップ・イチゴ・スプレーローズ(タマンゴ)・ブルーベリー・ミント
3月
【タルト・オ・フリュイ】
イチゴやブルーベリーなど、甘酸っぱいフルーツをのせたタルトです。
クッキー生地やパイ生地で作られたお皿型の器に、クリームや季節のフルーツを詰めたり載せたりするお馴染みのスイーツです。
生地を焼くための、縁がフリルのように波型になっている焼き型も可愛いですよね。
タルトはフランス語圏のお菓子ですが、イギリスのビクトリア朝時代に刊行された「ビートン夫人の家政読本」にも、着色、図解付きでタルトのレシピが記載されています。
900以上のレシピが紹介されていて、今使われているレシピ本の元祖と言われています。
その1ページを切り取ったレプリカも添えてみましたが、可愛いですよね。

【花材】
吉野桜・ダリア
4月
【桜とピスタチオのマカロン】
ころんとした愛らしい形も魅力のマカロンは、フランスを代表する洋菓子ですが、発祥地はフランス、イタリアと諸説あります。
中でもフランス王国アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスが16世紀にフランスに持ち込んだという説が有力です。
当時、文化的芸術的にはイタリアが圧倒していました。
イタリアのフィレンツェで巨大な富と権力を手にしていた大富豪メディチ家のカトリーヌが、イタリアの先進文化をフランスにもたらす役割を果たしました。
マカロンだけでなく、フォークもカトリーヌが持ち込んだと言われています。
イタリアから伝わった当時はアーモンドと卵白と砂糖を使った素朴なお菓子で、今のようにカラフルになったのはパリのパティスリーが広めました。

【花材】
バラ(ライム)・ラナンキュラス・スノーフレーク・トリフォリウム・スノーボール・コデマリ・ローズゼラニウム・シュガーバイン・クリスマスローズ
5月
【メロンのパリ・ブレスト】
シュー生地をリング状に焼いたパリ・ブレストは1891年に自転車レース「パリ・ブレスト・パリ」の開催を記念して考案されたお菓子として知られています。
このリングは自転車の車輪のイメージしたものだったのです。
生地にクリームを挟んだのは、レースの参加者に体力をつけてもらうためで、お菓子の歴史を知ると色々な物語が隠されている事に驚かされますね。
このシューは私が焼いたのですが、5月が旬のメロンを挟んで美味しくいただきました。
花も爽やかに、グリーンのブーケです。

【花材】
アジサイ・シュガーバイン
6月
【紫陽花のアイスクリーム】
皆さんは、アイスクリームを食べる時に、カップ派ですか?それともコーン派ですか?
もちろんコーンは、アイスクリームのための物ですが、季節の紫陽花を活けてみました。
美味しそうで、可愛いですよね。
海外の人たちがあげるSNSではライラックとアイスクリームコーンの組み合わせもよく見かけます。
牛乳やクリームに空気を含ませることによってクリーミーに凍らせるアイスクリームについては、皆さんご存知の通りですが、この撮影用アイスクリームは材料がちょっと違います。
何だと思いますか?
本当は内緒にしておきたかったのですが、撮影中に溶けてしまわないように、紙粘土で作ったフェイクスイーツです。
耳たぶのように柔らかい紙粘土にアクリル絵の具で色を練り込む作業はとっても楽しかったです。

【花材】
バラ(フロッシュ)・スノーボール・カンパニュラ・ブルーベリー・リキュウソウ
7月
【アイスバー】
暑い季節のアイスバーはひんやりして汗が引きますよね。
アイスバーはスーパーやコンビニで身近で買う事が出来ますが、手作りしてみました。
冷たいものは甘味を感じにくいので、甘さを濃い目にしたジュースを冷やし固めます。
フルーツなど材料にこだわった高級アイスバーが気軽にできるのでお薦めです。
フルーツの断面を型に張り付けるように入れるのがフォトジェニックポイントです。
ミルク味も美味しく出来ます。
暑い季節に溶けて手が汚れるのは嫌だという場合は、寒天を入れてみてください。
寒天の融点は約80度。
お子様と一緒に極暑でも「溶けないアイス」一緒に作ってみてはいかがですか?

【花材】
バラ(レモンフォセット)・キンセンカ・マリーゴールド・スノーボール・キイチゴベビーハンズ・リキュウソウ・ミント・ファレノプシス
8月
【レモンゼリー】
レモンの果汁を絞って、砂糖とゼラチンを煮溶かし、冷蔵庫で冷やし固めてレモンゼリーを作りました。
固まってから、フォークでかき混ぜて仕上げています。
レモンの果肉をくりぬいた器に添えると美しいですよね。
ゼリーの元でもあるゼラチンは、動物や魚の骨や皮や腱の主成分であるコラーゲンを熱によって軟化させて抽出したものです。
日本料理の煮こごりと同じです。
現在、製菓用には豚皮由来の物が多く使われています。
ヘルシー志向のヴィーガンスイーツとして、植物由来の材料を選びたい場合は、アガーを使っても美味しく出来ます。

【花材】
バラ(ミルクティー・サーシャ)・フロックス(クリームブリュレ)・ユーカリ・ロシアンオリーブ
9月
【キャラメル】
キャラメルは、砂糖を加熱して、バター、クリーム、バニラエッセンスを加えて作る甘いお菓子です。
キャラメルの作り方は、砂糖を加熱することで結晶が解け、茶色くなることによって香ばしさとともに甘味が引き立つ特性を利用したものです。
キャラメルの起源ははっきりわかっていませんが、古代から存在していたと考えられ、アラブ人がクレタ島で考案したとも伝えられています。
11世紀には十字軍によってヨーロッパに渡り、16世紀にはカトリーヌ・ド・メディシスによってフランスにもたらされます。
19世紀には、キャラメルはヨーロッパやアメリカで広く普及しました。
特にアメリカではキャラメルの製法が工業化され、大量生産が可能になり、日本にも明治時代に伝わりました。

【花材】
ダリア・バラ(オリエンタルキュリオーサ・ゴースト)コニカルブラック・エキナセア・ヒペリカム紅葉・ベルベロン
10月
【モンブラン】
「モンブラン」はフランスとイタリアの国境に位置する、ヨーロッパアルプスの最高峰の名前です。
フランス語でモン「Mont」は「山」、ブラン「Blanc」は「白」という意味ですから、日本語なら「白山」。
私も訪れた事がありますが、モンブランの麓のシャモニーは登山だけなくスキーリゾートとしても有名です。
ケーキの「モンブラン」は、その美しい山の名前を冠した、マロンクリームが豊富に使われているケーキです。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、特にフランスやイタリアの上流階級の間で人気を集め、フランスのペイストリーショップやカフェで、特別な日のための洗練されたデザートとして提供されていました。
日本でもアレンジされて、秋だけではなく一年中人気のケーキですね。

【花材】
アネモネ・ラナンキュラス・イタリアンベリー
11月
【アップルパイ】
リンゴを砂糖で煮たものを、パイに包んでオーブンで焼いたお菓子です。
14世紀ごろからイギリスでアップルパイが作られていましたが、私たちが思い浮かべるアップルパイは、アメリカを代表するデザートです。
母親が作ったアップルパイは日本での「お袋の味噌汁」に当たるという説明も見聞きします。
英語に as American as apple pie というイディオムがありますが、「いかにもアメリカらしい」という意味で使われます。
トッピングにバニラアイスクリームを添えても美味しいですよね。

【花材】
カスミソウ
12月
【ヘクセンハウス】
ヘクセンハウス(Hexenhaus)は、ドイツの伝統的なクリスマスの飾りつけの一部として作られる、家の形をしたお菓子の家の事です。
ジンジャーブレッドクッキーで壁や屋根が作られています。
ヘクセンハウスを直訳すると「魔女の家」。
はじめはグリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」に出てくるお菓子でできた魔女の家を指す言葉でしたが、いつの間にかにクリスマスに飾るミニチュアのお菓子の家をヘクセンハウスと呼ぶようになりました。
欧米のクリスマスシーズンには、人間が入れるほどの大きさのヘクセンハウスが、ショッピングセンターやホテルのロビーに飾られています。