今は化粧品でシワ改善が望める時代。先進のシワ研究では、一体どこまでが解明されているのでしょうか。
研究員の方の話から“シワの真実”を紐解いていきます。
くれたのは
教えてくれたのは
化粧品研究所
美容機能開発グループ上(かみ)
2019年に入社し、約6年間「抗シワ研究」に従事。
コラーゲン・エラスチンが肌を支える“力”に着目し、シワとの関係についての研究に取り組む。
現在は、化粧品に配合する美容成分の選定や機能の評価などの業務に携わる。
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なぜ年齢とともにシワが深くなるのか。
まるで“折り紙”のように刻まれていく、
そのシワと弾力の関係に着目!シワはまるで“折り紙”のように、個人の表情グセにともない“折り目”となって顔に現れます。若い頃は肌に弾力があるため折り目がついてもすぐ元に戻りますが、紫外線による光老化や加齢、活性酸素などで肌にダメージが蓄積すると弾力が低下。弾力が失われると折り目が元に戻ることなく、深いシワとして定着していきます。
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肌の弾力とは、内側から跳ね返す力。
その要となるのが「エラスチン」だった-
推測
弾力のカギを握るのは
“バネ”の働きをする3%のエラスチン!真皮の中は、肌の形を保つコラーゲンが7割を占めますが、コラーゲンを束ねて“バネ”の働きをしているのが実はエラスチン。約3%しか存在しないものの、もともと腱や靱帯など弾力に富んだ組織に多く、肌の弾力においても重要なカギを握るのでは?と考えられていました。
しかし少量のエラスチンがどのように弾力を生むかまではわかっておらず、加齢などで弾力が低下したときもそれがコラーゲンのせいかエラスチンのせいかを判別するのは非常に困難。そこでエラスチンのみを調べる必要がある!と感じたのです。 -
挑戦
エラスチンは弾力にどれだけ影響するか、
誰もやってこなかった研究にトライ!これまでの研究でも、加齢による形状や質の変化、量の減少などが起こることまでは明らかになっていました。しかし皮膚はとても複雑なため、エラスチン“だけ”が弾力に“どれぐらい”関与しているのかまではわかっておらず、エラスチンの状態が悪くなると弾力が低下するということも憶測でしかありませんでした。
その曖昧な点を明確にするべく、新たな研究に挑戦したのです。
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指で頬を押したら
エラスチンはどうなる?
業界初*の「3Dシミュレーション」を開発!住宅の耐震シミュレーションから着想を得て、コンピューター上でエラスチン線維の立体構造を再現。押して力を加えたとき線維がどう動くのかを可視化する独自の「3Dシミュレーション」を山口大学と共同で開発しました。
自分の肌の弾力が気になったら、指で頬を押してみますよね? その際のエラスチン“だけ”の動きや跳ね返りを、モニターで観察できるというものです。これは世界的にも前例がほとんどなく、正解がわからない中でスタート。成功までに1年半を要した、大がかりな試みとなりました。*2026年4月時点アテニア調べ
3Dシミュレーションに使うための画像を、高解像度で撮像できる特殊な顕微鏡。 -
結果、エラスチンの真実が次々と判明。
シワ改善に役立つ成分の
開発にも大きく貢献!-
事実
20代と60代では
エラスチンの状態が
大きく異なります20代と60代のエラスチン線維を撮像して比較したところ、20代では長い線維同士が密接につながっていました。一方、60代では線維の断片化が進んでおり、加齢によりエラスチンの形状が大きく変化することがわかります。
20代のエラスチンは長くてまっすぐな線維が多く、しっかりした網目構造を形成。一方、60代では短くて曲がった線維が多い。 赤色がエラスチン線維 -
予想外の発見
エラスチンは量よりも
“つながり”がとても大切3Dシミュレーションを用いることで、エラスチン線維の量や質、形状に加え、「線維のつながり」も弾力に非常に大切であることが初めてわかりました。量が多くても、つながりが弱いと切れた網のような状態になり、跳ね返す力も弱くなります。これは予想外の発見でした。
多くの線維同士が
つながっているため
弾力が高い。線維同士がバラバラに
なっているため
弾力が弱い。エラスチン同士がつながるほど、かたまりの数は少なくなり、丈夫な網のような状態に。
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成果
研究を重ねてたどりついた成分で
エラスチンの量や形状が回復!エラスチンのみを調べられるようになった結果、どの成分がエラスチンにどう作用するのか、よりわかりやすく。実験を繰り返し、たどりついた新しい複合成分(α成分)では、量も形状も改善し、跳ね返す力の向上に期待が持てます。
(右)ある程度、有効な成分が絞れたら、摘出した皮ふ組 織に「ピペット」と呼ばれる道具を使って化粧品成分を添加していき、それぞれの働きを調べる。
(左)添加する際に使用する遠心分離機。
(右)ある程度、有効な成分が絞れたら、摘出した皮ふ組 織に「ピペット」と呼ばれる道具を使って化粧品成分を添加していき、それぞれの働きを調べる。
(左)添加する際に使用する遠心分離機。 -
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