Bliss Beauty Labo ブリス・ビューティーラボ

女性には美しく、幸福に生きる権利がある。

女性達を“美”の力で幸福にするために、

至福の美にまつわる様々な調査・コラムをニュースで発信します。

Bliss Beauty Committee ~Column Vol.3

専門家が語る、美と幸福の関係

アンチエイジングのプロフェッショナルが語る、「美と幸福」の秘訣とは?

アンチエイジング

各分野の専門家から、「美と幸福」にまつわるコラムをお届けする「Bliss Beauty Committee~Column」第三回目は、医療・美容ジャーナリスト、ヨガインストラクター、書道講師、メノポーズカウンセラーとして様々な観点からアンチエイジングの情報を発信され続けている宇山恵子先生に、お話を伺いました。日本だけではなく、海外の取材経験も豊富なアンチエイジングのプロが語る”美と幸福”の秘訣を是非お役立てください。

宇山 恵子

-Profile-

宇山 恵子うやま けいこ

医療・美容ジャーナリスト

京都府立医科大学特任教授、東京医科歯科大学非常勤講師。医療・美容ジャーナリスト、医学・医療情報を正確にわかりやすく人々に伝え、患者さんと医師・医療スタッフの良好な関係を育む「医療コミュニケーション」が専門。海外アンチエイジング情報の翻訳、取材も行う。ジャーナリスト、ヨガ・書道講師、料理講師、メノポーズカウンセラー。
『オールアバウト』アンチエイジングガイド、オールアバウトアンチエイジングガイド
美と健康情報サイト 健美塾

Q:長年、美容と健康の分野に携わられてきた立場から、「美と幸福」にはどのような関係があると思いますか?

美しい人

私は月に3回ほど小学生、20代ワーキングウーマン、子育て中のミセス、そして認知症の高齢者まで、さまざまな生徒さんに書道を教えています。書道を教えるときには、必ず生徒さんの手をとり、肩や背中を擦りながら緊張をほぐし、筆の動かし方や呼吸法をていねいに教えます。皆さん最初は「苦手」「嫌い」と言いますが、墨の香り、筆の感触、作品選び、そして私の手のぬくもりや息づかいなどの刺激で、心が通い合い、緊張で冷たかった頬や手も温かくなり、最後は「また来月もお願いします!」と笑顔を輝かせます。書道というモノクロのシンプルで洗練された美の世界に触れ、自分の作品を作り上げた満足感・幸福感で、老若男女に関係なく誰もが「美しい人」に変身していく姿は、指導している私自身にも「美のエキス」になっています。
実はこれには「オキシトシン」というホルモンが関係しているのです。オキシトシンは「子育てホルモン」「愛情ホルモン」「思いやりホルモン」などという別名を持ち、陣痛の苦しみや授乳の痛みを和らげてくれるホルモンとして医学の世界では有名でしたが、「誰かの役に立っている」「あの人(物)を支えてあげたい」などと感じたときには、誰にでも分泌されることが明らかになっています。さらにオキシトシンには、食欲を抑えたり、肌を美しくする力もあり、出産後の女性の肌の美しさに関係しているとも言われています。 美と健康と幸福は、まさに三位一体となって、人間を囲み、守っています。仕事に行き詰って疲れたとき、DVDを借りて映画を観たり、美術館に行って絵をぼんやり眺めたり、旅に出て車窓から景色を眺めたりすると、ふといいアイデアが浮かんだりして、仕事の意欲が蘇ることもあります。2012年の欧州心臓病学会で発表されたデンマークの研究では、音楽、美術、演劇など好みの美術鑑賞をすることで、脳卒中患者の生活のQOL(Quality Of Life=生活の質)が向上し、病気の再発や不安症、うつ病の発症を予防できることも明らかになっています。(注1)
Vellone E. Abstract FPN 38. Presented at the 12th Annual Spring Meeting of Cardiovascular Nursing, European Society of Cardiology (ESC), 16 March 2012.
美しいものを見たり触れたりすると、私たちの脳では「ドーパミン」という神経伝達物質が分泌されます。実はこれがやる気、集中力、前向きに生きる意欲、幸福感を高めてくれるホルモン。脳科学的にも、美と健康、幸福の関係は実証されているのです。さらに「幸福ホルモン」とよばれる「セロトニン」という神経伝達物質も分泌され、幸せな気分が高まります。

Q:日本人の幸福度は先進国で最も低いと言われています。また、アテニアで実施した調査では、日本人女性は自分の美に対して自信を持っている人の割合が非常に少ない傾向にありました。その理由はどのようなところにあると思いますか?

日本人は欧米人に比べて、肌の接触や笑顔のコミュニケーションが少ないと思います。海外に行くと初対面の人でも握手をしますし、ハグやキスも普通に挨拶のひとつとして受け入れられています。日本のビジネスシーンで初対面から握手やハグをすることは、まずないですね。実は、このようなちょっとした肌の触れ合いが、思いやりホルモンのオキシトシンの分泌を高めて、相手に対する思いやりや支え合いの気持ちを芽生えさせ、良好な人間関係を築くための下地を作っているのです。欧米の人たちは、握手したくなる手や、ハグしたくなる笑顔、ハグしたときに相手を心地良くさせる肌の感触や温もりを保つことに余念がありません。
このような文化がない日本では、人間関係が手探り状態になりがちで、相手の気持ちがうまく理解できずに「この人は私をどう思っているのかしら?」と不安になったり、「私に対して好意を持っていないのでは?」と自分の魅力に対して自信が持てなくなったりすることが多いと思います。そして悩んだ挙句に「どうでもいいや」と自暴自棄になってしまうと、心の老化が始まって、見た目までも老けた印象に変わってしまうのです。

Q:幸福感というのはアンチエイジングの観点でも重要だと考えられますか?

とても重要です。幸福の形は人それぞれですから、他人の評価よりも、自分自身で「私は幸福だ」と思うことが、健康を維持したり、いつまでも若々しくいたりすることに大いに関係します。人は幸福感を感じていれば、自然にいい笑顔になりますし、自信を持ち続けて、前向きに生きる意欲が維持できます。このような精神的な基礎を維持することが、見た目の美しさや若さを維持する上でもとても大切なのです。自分に自信を持ち、自分を愛して、自分を磨こうと思う心があれば、スキンケアや洋服選びだって一生懸命になり、見た目の若々しさや魅力もアップします。

Q:アンチエイジングという観点で、夜の時間というのはどのような意味を持つのでしょうか?

人の体は常に古い細胞と新しい細胞を入れ替えながら、維持されています。この複雑な作業を行うのが、眠っている時間。睡眠時間が短ければ、新しい細胞を生み出す力も衰えます。嫌なこと、辛いことがあっても、それをくよくよと回想したりせず、夜の時間は、ダメな自分から、素敵な自分に生まれ変わる時間だと思い、明日はどんな素敵な自分に変身しているかを楽しみにしながら、眠ってください。

Q:アンチエイジングという観点で、「美と幸福」を食の分野からサポートしてくれる食材はありますか?

「美と幸福」を食の分野からサポート

「私は一生細胞を生みつづける妊婦さん」と思って、口にするものには十分注意してください。新しい細胞を生み出すためには、材料が必要です。インスタント食品や化学調味料をたくさん使ったものばかりを食べていると、チープで不健康な細胞でできた人間になってしまいます。そうならないためにも、内側からも外側からも、健康で元気な細胞が生まれるように、サポートしてあげることが大切です。健康な細胞の材料になるものは、良質なタンパク質、ビタミン、ミネラルです。そして古い細胞を排出するには、食物繊維と水。肉、魚、豆類、乳製品などは、幸福ホルモンのセロトニンの材料になるトリプトファンを多く含みます。色とりどりの野菜やフルーツには、細胞の代謝をサポートして新しい細胞を生み出す力を高めるだけでなく、暴飲暴食や有害物質で傷ついた細胞を修復する抗酸化物質がたくさん含まれています。
無性にインスタント食品やファーストフードが食べたくなってつい食べてしまうこともあるはず。それも仕方ありません。でもその後に野菜とフルーツをたっぷり食べましょう。水もたくさん飲んで、軽く汗をかく早歩きや自転車こぎなどの運動を行うことで、体内の代謝をアップしましょう。そして忘れないでほしいのは、皮膚は外界からの刺激から細胞を守る大切な臓器だということ。紫外線や乾燥で皮膚のバリア機能が落ちないように、スキンケアを行うのも忘れずに!

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